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コラム「ひび是好日」Vol.53:次の震災での死亡原因は?
2025.10.02
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 9月に岐阜大学で開催されたラボツアー。今回は「くらしを守る防災技術最前線」をテーマに研究室を巡り、各先生の研究を発表してもらいました。
 私も引率の立場で話を聞き、その中で最も関心を持ったのが過去の震災での死因割合です。関東大震災では火災、そして、その都度被害を軽減すべく震災への対策が取られ、建屋への難燃材の利用、耐震基準の見直し、津波タワーの建築等が行われ、今後発生するであろう震災でもこれらに起因する割合は減少していると思います。
 阪神淡路大震災では建物倒壊、東日本大震災では津波に起因するものが最も多く、それぞれ全体の50%以上を占めていました。
 では、次に発生する震災での死因は何が一番になるのか?私は、飛び交う偽情報に踊らされた人々による外国人等への差別・攻撃ではないかと危惧しています。関東大震災の時にもデマに踊らされた民衆による「朝鮮人虐殺事件」が発生しました。情報伝達が現代よりずっと遅い大正時代でも燎原の火の如きスピードでデマが拡散し、国内にくすぶる不満・不安に火を付けてしまっています。
 そして過去にもまさる不満・不安がはびこる現代、人々は情報を瞬時に知り・伝える機器を持つ中、大震災が発生して偽情報が氾濫した時に果たして情報の真贋を見分けて冷静な行動が取れるのか?はなはだ疑問です。
 震災発生時、直ちに正しい情報のみが流れるような仕組み作りを行う事が、外国人のみならず自国民をも守ることに繋がり、過去の忌まわしい事件の再発を防ぐことが出来ると信じています。例えそれが情報統制と言われようと、そうすべきではないでしょうか?